(VOVWORLD) - 5月26日、ファム・ミン・チン首相はマレーシアで開かれる第46回ASEAN首脳会議および関連会議に臨みました。2025年は、ベトナムがASEANに加盟してからちょうど30周年にあたります。
2025年は、ASEAN共同体の発足から10年、東アジア首脳会議の創設から20年の節目となると同時に、ASEANが新たな段階へと移行する重要なタイミングでもあります。ASEANは「共同体ビジョン2025」の実施を完了し、今後20年間にわたって実行される「共同体ビジョン2045」を採択・実施に移すことになります。
第46回ASEAN首脳会議は転換点に
これまでの共同体ビジョンは10年ごとの枠組みでしたが、今回は20年という長期的な視点から未来を見据えるアプローチが採られています。「ASEAN共同体ビジョン2045」とそれに付随する各種戦略計画は、今後2045年に向けた協力活動を進めるうえでの基本指針・主要文書となる見通しです。
また、科学技術の急速な進展や地政学的・地経学的な対立の激化、非伝統的安全保障上の脅威など、時代の急激な変化と深刻化する課題に直面するなかで、ASEANはチャンスを逃さず、課題を乗り越え、飛躍を遂げる必要があります。こうした背景のもと、「包摂的で持続可能なASEAN」をテーマに掲げた第46回首脳会議は重要な意味を持っています。ASEAN常駐ベトナム代表団のトン・ティ・ゴック・フオン大使は次のように述べました。
(テープ)
「ASEANが今後20年にわたり、着実に優先事項を実行するためには、段階的なアプローチが必要です。また、実情や各段階におけるニーズに即した形で資源を動員し、様々な協力プログラムや計画を効果的に実施していくことが求められます」
今回の会議では、「ASEAN2045に関するクアラルンプール宣言:私たちの共通の未来」や「ASEAN共同体ビジョン2045」、および関連する戦略的文書一式が採択される見通しで、今後の協力の枠組みを定める重要な基盤となります。
強靱で力強いASEANの実現へ
ASEAN加盟から30年にわたり、ベトナムは常に能動的かつ積極的な姿勢でASEANの結束と強化に貢献してきました。今回の会議では、ベトナムが新たな力と地位を背景に、ASEANの共通課題への取り組みに一層貢献する姿勢を示しています。ベトナム外務省のドー・フン・ビエット次官は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムは、ASEAN諸国とともに3つの大きな柱となる優先事項について議論・合意していく予定です。第一は、多国間主義の価値と活力を再確認し、対話と信頼醸成を重視する中で、国際法の尊重を改めて強調すること。第二は、強靱で創造的、かつ人を中心としたASEANを目指し、共同体構築の新たな道筋を描くこと。第三は、域内連結と対外連携の推進、既存の協定の効果的活用、ルールに基づいた公正で透明な多国間貿易体制の強化です」
ベトナムは「ポスト2025ビジョン」の策定にも積極的に関与しており、「ASEAN共同体ビジョン2045」の策定に向けた上級作業部会にも参画しています。
地域の平和、安全保障、繁栄、そして持続可能な発展を目指し、一体感と活力に満ちた共同体を構築していく上で、ベトナムはASEAN諸国と連携し、戦略的方向性と具体的な施策の策定に主体的に参加していく方針です。これが、第46回ASEAN首脳会議および関連会議に臨むファム・ミン・チン首相率いるベトナム代表団のメッセージです。